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2018年8月29日 (水)

「小渋川から赤石岳へ」写真案内 2018年8月現在

2018年8月現在

お盆を挟んで南アルプス南部縦走時に、小渋川を下ると言う登山者に会いました。小渋川を雨が降っている時期に下るのは危険だと説明し、断念頂けたのではないかと思っています。何度もお話していますが、小渋川は非常に危険な川です、と言うのも:

1.大沢岳から高山迄の稜線の西側斜面の全ての雨水を集めて流れる、非常に水量の多い川です。

2.もし下りで広河原で水量が多い事を目の当たりにしても、誰も1500メートル以上の急登を登り返す気にはなりません。大丈夫だろうと言う安全方向バイアスが働いて、川を下ってしまいます。

3.広河原はその名の通り広くなっていて、雨水の多くは伏流水になっていますが、その下の高山滝では廊下状で、水が戻り水量が急激に増します。更に此処まで降れば誰も戻る気には更になりません。

4.その日の廊下部分の水量に関しては、誰も情報を持っていない事も重要です。下流の大鹿村大河原の水量も川幅が広く伏流水になっていて、非常にわずかです。極端な場合は、入谷場所の七釜橋では川の流れがほとんどありません。

と言う事です。小渋川に入谷する場合は:

1.入山側で利用する。もしくは小渋川をピストンする。その理由としては、水量が多ければ引き返す事を決断できるからです。絶対に情報を得る事のできない(入谷者が少なく、残念ながら山小屋のご主人もその日の川の情報を持っていません)、稜線からの下りでは利用してはなりません。またピストンでも稜線に上がっている間に雨が降れば、アウトです。

2.時期は渇水期〈秋)に、そして1週間以上前から、降水状況や河川情報を確認し、安全を判断して入谷する。

3.入谷では複数人で、ザイルを使い安全を確保する。ストック等を使用して川の深さを測り、浅い箇所を横断する。また事前に十分に、水量の多い川の横断技術や経験、ザイルワークによる確保技術を積んでおく。

4.入谷で利用した場合でも下山口に関しては、複数の選択肢を用意する。

以上述べた様に、湯折に車を置いて別ルートから入谷し、小渋川に下山するのはもっての他です。更に下山口に車をデポすると、どうしてもそこに下る気持ちが働きます。小渋川迄車で入り、何処かに下ってそこから何らかの方法で小渋川の車を回収する様にしてください。つまり長野県側からは、鳥倉から下山して何らかの方法で車を回収、易老渡に下り何らかの方法で車を回収するルートしかありません。結局のところ、小渋川に入谷する場合は、マイカー利用は極めて不適で、タクシー等の公共交通機関を利用するのが唯一の安全な方法と言う事になります。私のお勧めとしては交通手段を利用し、湯折迄タクシー、小渋川へ入谷し大聖寺平迄登り、以降は椹島等の大井川側に下る案です。

下り利用、しかも単独行は自殺です。

なお山渓文庫「道迷い」で本ルートの事案が報告されている。遭難者は、本ルートを下り、尾根筋の広河原直前の屈折点を逃し、そのまま尾根を下って1本南の沢に迷い込んだとの事である。

2017年8月16日 下山者が小渋川で流され、死亡しました。この雨の多い天候不順な時期に、これは自殺行為ではなく、自殺です。

小渋川は絶対に下りで使ってはなりません。

2017年版以降本ルートの解説はありません。

2016年9月1日現在

本ルートは入谷のタイミングが非常に難しく、大分時間が空いてしまいましたが、調査して来ました。

いつも渇水期の秋に入谷していますが、今年は降水量が少なく、大井川でも水量が少ない事を確認していましたで、入谷する事にしました。渡渉点を慎重に探した結果、腰以下、膝上迄で渉る事が出来ました。

基本的に「河原歩き」である事には変わりはありません。渓流シューズ等は不要で、滑り難いシューズであれば、問題ありません。

渡渉は、2011年台風の大雨(と思われる)で流れが変わり、蛇行点の縁をヘツリながら抜ける事が出来る様になった事により、回数が減っています。正確な記憶はありませんが約10回程度でしょう。ただその結果、以前は完全な河原歩きでしたが、今回は沢登り的な要素(岩の上を歩く)も少し出て来ました。

広河原から上部は、非常に素晴らしい尾根道です。現在歩けなくなった塩川ルートに似ています。下部は大木が林立しています。道は明瞭で、荒れていない状態が維持されています。但し船窪から上部は灌木が生い茂って、結構ウルサイです。

なお本ルートは、『登り』に使うルートです。決して『降り』で利用してはなりません。事故が多発しています。勿論ピストンであれば、登りで川の状態が掴めますので問題ありません。地元の言い伝えとして、「降りはじめて小渋川に白い物が見えた場合は降ってはならない」と聞きました。つまり広河原迄降って水量を見て、引き返す事ができる人は殆ど居らず、危険覚悟で川を降る人が事故を起こしているのではないか、と推測できるからです。

小渋川の水量は以下のサイトで確認できます:

https://www.cbr.mlit.go.jp/tenjyo/cctv/pc/selectCamera.html?mapAreaCd=2

入谷に際しては、長期間にわたって川の状態を確認してください。

2016年版以前の記事を以下に掲載します。

 

 本コースは、広河原小屋まで登山道がない河原の遡行の上級者ルートである。多雨期、降雨後の入谷は非常に危険。下山には不適。危険を感じたらすぐ引き返すこと。また、安全確保のザイルに加え、バランス保持と川の深度計測のためピッケルやストックの携行が望ましい。しかしながら本コースは紅葉時期の渓谷美が素晴らしく、広河原周辺から見上げる黄葉を前景とした荒川前岳の姿は雄大で、他ルートでは味わえない景色である。

 湯折で車を降り、林道を七釜橋まで歩く。橋を渡り左岸工事用道路を通り、榛沢手前から遡行を開始する。リボン、ケルンなどが残っているところもあるが、決まったルートはない。キタ山沢までは廊下状になっており、増水時逃げ場が全くない。河原が広くなれば旧登山道のペイントマークもわずかに残っており、参考になる。キタ沢出合で河原はさらに広くなり、左岸で福川を渡渉し、森に入って、広河原小屋へ到着する。

 小屋からゆるやかな林を行き、右の急な尾根に取り付く。倒木や不安定なところを越えるが、すぐにルートは明瞭な尾根筋になる。大聖寺平までの距離表示プレートが0.5Km毎にあり、ペース配分の参考となる。W.ウェストンが昼食を摂つたという船窪地形から先、ダケカンバ帯、ザレ場を注意して登り、さらにトラバースを続け大聖寺平へ着く。

1.湯折ゲート(写真1)

200610

写真1:湯折ゲート(2006年10月)。手前に数台の駐車が可能。

2.小渋川の黄葉(写真2)

200610_2

写真2:小渋川の遡行は十分に注意すること(2006年10月)。

3.高山ノ滝(写真3)

200610_3

写真3:高山ノ滝は遡行区間で随一(2006年10月)。

4.広河原(写真4)

200610_4

写真4:広河原に近づくと川幅が広くなる(2006年10月)。

5.船窪(写真5)

200610_5

写真5:船窪(2006年10月)。ウオルター・ウエストンが一夜を明かしたと書いている。

6.大聖寺平(写真6)

200610_6

写真6:大聖寺平に近づくと見慣れた展望になる(2006年10月)。

以上

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